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2015-05-09

【英国】総選挙続報・保守党が過半数獲得、ミリバンド労働党首辞任

7日に行われた英国庶民院(下院)総選挙は現地時間の翌昼までに結果が確定、キャメロン首相率いる保守党が出口調査・開票開始時にもほとんど予測がなかった過半数を獲得、連立の解消と単独政権の樹立を確実にした。英国では総選挙後に1度首相を辞任する日本のような憲法法規は存在しないため、キャメロン首相がそのまま留任・続投する形になる。

100議席近い予想外の大差をつけられた労働党(社会主義インター加盟・進歩同盟中核政党)のミリバンド党首は党首辞任を表明、議席を激減させひとケタ議席に終わった、これまでの与党第2党で中道リベラル・自由民主党のクレッグ党首(自身はぎりぎり当選)、欧州議会選で躍進しながら今回わずか1議席に終わった右派ポピュリスト・英国独立党のファラージ党首(自身も落選)もそれぞれ辞任。有力党首の辞任ドミノが相次いだ。

UK_opinion_polling_2010-2015.png
当てにならなかった世論調査の推移

今回の総選挙では既報のように、保守党はスコットランド国民党の躍進によって労働党政権が誕生した場合、結局はスコットランドの分離独立に追い込まれ、連合王国としての英国は分裂すると危機感をイングランドを中心に煽る作戦にでた。ミリバンド党首と労働党もスコットランド国民党とは組まないとしていたが、逆にスコットランド国民党は「反緊縮・福祉重視」「大きな政府」など経済政策が似かよる労働党に一方的に秋波を送り、保守・労働いずれの政党も過半数を取れない「ハング・パーラメント」(宙吊り議会)となった場合の労働党への支援を公然と唱えるなど、英国分裂に危機感をおぼえる主権派・保守派の有権者の警戒感を解くにはまったく至らなかった。ミリバンド党首もそうした保守党のネガティヴ・キャンペーンに説得力ある対策を打ち出すことができず、『ガーディアン』紙によれば学者のような、中途半端なメッセージに終始した。繰り返すが、皮肉にもスコットランド国民党の予想通りの躍進とスタージョン党首の率直なメッセージがイングランド有権者の危機感を煽ってしまい、英国に分裂の溝をもたらしてしまったことになる。

いずれにせよ英国の有権者は中途半端ではなく、力強く説得力のある選挙運動を展開したキャメロン保守党党首(首相)、スタージョン・スコットランド国民党党首(スコットランド首相)の両者に支持を寄せたことになる。逆にメッセージが弱々しいと有権者が評価したミリバンド労働党党首、クレッグ自由民主党党首(副首相)は沈み、ファラージ独立党党首に至っては自身の当選すらおぼつかなかった。今後、労働党が支持を回復させるには仇敵というべきスコットランド国民党やスタージョン党首から学ぶものが大きいといえよう。また英国独立党票を一定ていど取り込んだキャメロン首相と保守党の勝利によって欧州連合(EU)との距離感も微妙に広がることが予想される。すでに英国の経済・金融はアジア・アフリカに軸足を移しつつあるとする観測もある。

なお小選挙区制の特性により、スコットランドのみで候補者を擁立し域内で圧勝したスコットランド国民党は得票率では4.7%、全国に候補者を擁立した英国独立党は12.6%を獲得しながら1議席に終わり、議席あたりの票差は約150倍に達した。この点から小選挙区制を問題視する意見も一部にみられるが、二大政党に慣れ「ハング・パーラメント」を嫌う英国では大勢にはなっていない。また同時にイングランド(大ロンドン以外)で地方選挙も行われたが、国政レベルと同様に保守党が伸ばした。

Lower_Weston,_Bath,_church_as_polling_station,_2015
投票所の一例。教会やコミュニティセンターがよく利用される。

最終的な選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

保守党 331(+24)
労働党 233(-26)
スコットランド国民党 56(+50)
自由民主党 8(-49)
民主統一党 8(±0)#北アイルランド保守強硬派
シン・フェイン 4(-1)#北アイルランド左翼強硬派
プライド・カムリ 3(±0)
社会民主労働党 3(±0)#北アイルランド穏健左派
アルスター統一党 2(+2)#北アイルランド保守穏健派
英国独立党 1(+1)
緑の党 1(±0)
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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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