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2015-05-01

【アメリカ】民主社会主義者のサンダース上院議員が大統領選に立候補へ

4月30日、きたる来年のアメリカ大統領選挙に向けて、無所属のサンダース上院議員が民主党予備選挙への立候補を表明した。サンダース議員はバーモント州選出で、かねてから進歩的な「民主社会主義者」を自称しており、オバマケアが実現する前から国民健康保険を強力に主張してきた、アメリカ政界においては異端児的な存在。かつて下院議員時代にはは北米自由貿易協定(NAFTA)を強く批判し、TPPにも慎重な姿勢をみせている。首都ワシントンでの出馬記者会見でも「所得の99%が1%の富裕層にいくような(米国の)経済は、モラルに反し間違いどころか、持続不可能」と、民主社会主義者らしい進歩的姿勢を改めて明らかにした。

Sanders close up
サンダース上院議員バーモント州選出、無所属…民主党と統一会派)

しかしこれまで民主党から唯一、立候補を表明していたヒラリー・クリントン前国務長官が共和党穏健派と似ている中道寄りの姿勢をみせるなか、またヒラリー候補にさまざまな毀誉褒貶や巨額を投じた選挙運動への違和感があるなかで、サンダース候補は草の根レベルを重視する選挙戦を展開する意向とみられ、ヒラリー候補は中道寄り路線の修正を迫られるとする観測も出ている。
サンダース上院議員の立候補表明を受けて、ヒラリー候補は「焦点を中間層援助に当てるべきというサンダース氏に同意。(立候補を)歓迎する」とツイートでコメントした。格差社会への批判が急速に拡大しつつも、いっぽうで「社会主義」への違和感がぬぐえないアメリカにおいて、民主社会主義者の大統領選挙への立候補はアメリカ社会そのものの変化をみるバロメーターになりそうだ。

バーニー・サンダース候補(上院議員)大統領選挙運動サイト(英語)
https://berniesanders.com/

#サンダース候補をめぐっては日米の報道では「リベラル」とするものが多いのですが、当ブログでは「ネオリベラル」(新自由主義)といった用語への違和感などから、また「保守」の対義語は「進歩」(もしくは日本限定の用語では「革新」)であって、「リベラル」(自由主義)は「中道リベラル」など中道自由主義のニュアンスを持つという立場から(このブログは「穏健・進歩・ソーシャル」ということです)「リベラル」「リベラル派」の用語は避けることとします。アメリカの慣習および日本の政治改革以降の慣習とは異なりますが、ご了承ください。
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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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