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2014-10-30

【チュニジア】新憲法下の総選挙で世俗派が勝利

26日、チュニジアで「ジャスミン革命」後に制定された新憲法下で初の議会総選挙(定数217、比例代表制)が行われた。30日までに発表された結果、世俗派の新党「ニダチュニス」(チュニジアの呼びかけ)がイスラム主義の「アンナハダ」(復興)を抑えて第1党となった。

「ジャスミン革命」後にアラブ各国で連鎖的に起きた「アラブの春」が多くの国で挫折するなか、世俗派とイスラム主義派が折り合いをつけることに成功したチュニジアは革命の数少ない成功例となった。ここでイスラム主義派である「アンナハダ」が第1党を維持するかが注目され、特に選挙戦のさなかには巻き返しも報じられたが、チュニジアの有権者はより穏当な判断を下すことになった。なお「ニダチュニス」は世俗派であることは明確であるものの、それ以外の政治的位置は明らかでない。ただ旧ベン=アリ政権の関係者や世俗左派、リベラル派・進歩主義者に加えてチュニジア労働総同盟(一党支配期は官製労組だった)の支援を受けており、87歳のセブシ党首(元首相)も「世俗派の結集」を掲げて「アンナハダ」に対抗する以上の立ち位置を明瞭にしていない。

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セブシ元首相(80年代の一党支配期の外相、民主化後の最初の首相)

それ以外には共和国のための会議、労働と自由のためのフォーラム(エタカトル、社会主義インター・進歩同盟加盟政党)など世俗派諸党は「ニダチュニス」に票の多くを奪われ、大きく後退した。両党は「アンナハダ」と連立を組んだことも大きく影響したとみられる。

今後は「ニダチュニス」のセブシ党首は高齢もあって首相就任は困難とみられ(権限が縮小された次期大統領を目指しているとされる)、また「ジャスミン革命」後に一時期、「アンナハダ」と世俗派が激しく対立し世俗派野党の党首が暗殺されるなど民主化が危機を迎えた時期もあった(議会の合意により専門家・テクノクラート内閣を編成することで乗り越えた)ことを踏まえ、「ニダチュニス」と「アンナハダ」の大連立が有力視される。ただ新議会は世俗派優勢となっており、「アンナハダ」も無理な要求はできない情勢だ。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回憲法制定議会比。「ニダチュニス」「人民戦線」などは前回選挙に参加した構成政党比)。

ニダチュニス 85(+79)#世俗派連合
アンナハダ 69(-16)#イスラム主義、ムスリム同胞団系
自由愛国同盟 16(+14)#中道世俗派、経済自由主義
人民戦線 15(+9)#マルクス主義、バアス党などの連合
アフェクチュニス 8(+5)#中道右派世俗派
共和国のための会議 4(-8)#中道左派世俗派
民主潮流 3(-1)#立ち位置は不明瞭
立憲イニシアティヴ 3(-1)#旧体制与党「立憲民主連合」系
人民運動 3(+1)#アラブ社会主義、党首が暗殺された党
愛の運動 2(-24)#ポピュリスト
共和党 1(-6)#中道世俗派
民主同盟 1(-8)#中道リベラル
労働と自由のための民主フォーラム 1(-19)#社会主義インター加盟政党
無所属 6

ニダチュニス 公式サイト(アラビア語)
http://www.nidaatounes.org/
労働と自由のための民主フォーラム 公式サイト(アラビア語)
http://ettakatol.org/
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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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