2014-05-18
【インド】詳報・総選挙で野党インド人民党圧勝、国民会議派惨敗
インドで1ヵ月半、9フェーズにわたって行われていた下院(ローク・サバー)総選挙(公選定数543ほか大統領指名2、小選挙区制)が行われ、モディ首相候補(グジャラート州首相)のインド人民党(BJP)率いる野党連合・国民民主同盟(NDA)が北インドから西インドにかけて順調に議席を伸ばし過半数を獲得、圧倒的な勝利を飾った。なかでもBJP単独でも過半数に達した今回の結果はヴァジパイ前政権(1998年~2004年)でも得られなかった数字で各方面に衝撃を与えており、経済においては早くもインドルピーと株価の高騰を招いている。
いっぽうソニア・ガンジー総裁、ラフル・ガンジー副総裁母子を先頭に戦った国民会議派(「進歩同盟」加盟政党)は単独で44議席と過去最低の結果に終わり、いっこうに解決しない汚職問題やインフレによる物価高騰など経済運営の失政を一身に負うこととなった。
「第三戦線」各党では南インド・タミルナドゥ州のジャヤラリター州首相が率いる全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟(AIADMK)がタミルナドゥ州内で圧勝、オディシャ州のビジュ・ジャナタ・ダル(BJD)も圧勝したが、他党が伸びなかった。またどれの政党連合にも加わらなかった各党では、西ベンガル州のバネルジー州首相が率いる草の根会議派(TC)が圧勝した(同党の当選者の中には"ネタジ"スバス・チャンドラ・ボースの甥の子、スガタ・ボース教授も含まれている)。社会党(SP)とジャナタ・ダル統一派(JD-U)は大敗、大衆社会党(BSP)はそれなりの得票を得たにもかかわらず議席ゼロに終わった。反汚職新党としてケジリワル党首(前デリー都首相)がヴァラナシ選挙区に立候補、BJPのモディ首相候補と直接対決となったアームアードミ党(AAP、庶民党、一般人党)はケジリワル党首が落選、躍進の予想にもかかわらず4議席にとどまった。
この結果21日にもモディ新首相が誕生することになるが、同新首相は2003年にヒンズー教徒とイスラム教徒が衝突した「グジャラート暴動」を黙認・煽動した疑いをもたれており現在もアメリカへの入国禁止処分が解けていない。ただし最近はアメリカ大使と会見するなど、一定の関係改善の動きもみられる。なおアメリカ入国禁止処分もあり、モディ新首相は初の外遊先に日本を選んだ。
なお投票率は州ごとにバラツキが在ったが、全体として66%以上に達した。
詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比)
●国民民主同盟 計336
インド人民党 282(+166)
シヴ・セーナー 18(+7)
テルグ・デサム党 16(+10)
庶民の力党 6(+6)
アカリ・ダル 4(±0)
全国庶民平等党 3(新党)
アプナ・ダル 2(+2)
パタル・マカリ・カッチ 1(「労働者党」のタミル語、+1)
スワビナーミ・パクシャ 1(±0)
ナガ人民戦線 1(±0)
N.R.会議派 1(新党)
国民人民党 1(新党)
●統一進歩同盟 計59
国民会議派 44(-162)
国民主義会議党 6(-3)
全国ジャナタ・ダル 4(±0)
インド連邦ムスリム連盟 2(+2)
ジャールカンド解放戦線 2(±0)
ケララ会議派 1(±0)
●第三戦線 計77
全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟 37(+28)
ビジュ・ジャナタ・ダル 20(+6)
社会党 5(-18)
ジャナタ・ダル統一派 2(-18)
ジャナタ・ダル世俗派 2(-1)
左翼戦線 小計11
・インド共産党マルクス主義派 9(-7)
・インド共産党 1(-3)
・革命社会党 1(-1)
●その他
草の根会議派 34(+15)
テランガナ国民団 11(+9)
YSR会議派 9(新党)
アームアードミ党 4(新党)
全インド統一民主戦線 3(+2)
ジャンムー・カシミール人民民主党 3(+3)
インド国民ローク・ダル 2(+2)
シッキム民主戦線 1(±0)
全インド統一ムスリム評議会 1(±0)
無所属 3
その他、100万票以上獲得して議席を得られなかった政党
・大衆社会党(2300万票弱、北部ウッタル・プラデシュ州の旧被差別民を基盤とする大政党)
・ドラヴィダ進歩同盟(960万票強)
・民族進歩ドラヴィダ同盟(200万票強)
・ジャールカンド勝利戦線(160万票弱)
・復興ドラヴィダ進歩同盟(140万票強)
・全インド前進同盟(120万票強、「左翼戦線」加盟のチャンドラ・ボース派左派)
・インド共産党マルクスレーニン主義解放派(100万票強、毛沢東主義)
なお同時にアーンドラ・プラデシュ州を分割して新設されるテランガナ州と(新)アーンドラ・プラデシュ州の州議会議員選挙、アルナーチャル・プラデシュ州議会議員選挙、オディシャ州議会議員選挙、シッキム州議会議員選挙も行われ、アルナーチャル・プラデシュ州を除き各州の地域政党が強みをみせた。これはインド人民党(BJP)が今回、全国レベルで圧勝しながらその独自の選挙基盤においては北インドと西インドに偏っており、南インドや東インドでは有力な地域政党の支えがなければやっていけない実情を示している。
テランガナ州議会(定数119、小選挙区制。カッコ内は前回比)
テランガナ国民団 63(+53)
国民会議派 31(-31)
テルグ・デサム党 15(-21)
全インド統一ムスリム評議会 7(±0)
大衆社会党 2(+2)
インド人民党 1(-1)
アーンドラ・プラデシュ州議会(定数175、小選挙区制。カッコ内は前回比)
テルグ・デサム党 100(+43)
YSR会議派 67(新党)
インド人民党 5(+5)
無所属 2
アルナーチャル・プラデシュ州議会(定数60、小選挙区制。カッコ内は前回比)
国民会議派 42(±0)
インド人民党 11(+8)
アルナーチャル人民党 5(+1)
無所属 2
オディシャ(オリッサ)州議会(定数147、小選挙区制。カッコ内は前回比)
ビジュ・ジャナタ・ダル 117(+45)
国民会議派 16(-31)
インド人民党 10(+4)
インド共産党マルクス主義派 1(+1)
平等クランティ・ダル 1(新党)
無所属 2
シッキム州議会(定数32、小選挙区制。カッコ内は前回比)
シッキム民主戦線 22(-10)
シッキム・クランティカリ戦線 10(新党)
インド国民会議派 公式サイト(英語中心)
http://www.inc.in/
いっぽうソニア・ガンジー総裁、ラフル・ガンジー副総裁母子を先頭に戦った国民会議派(「進歩同盟」加盟政党)は単独で44議席と過去最低の結果に終わり、いっこうに解決しない汚職問題やインフレによる物価高騰など経済運営の失政を一身に負うこととなった。
「第三戦線」各党では南インド・タミルナドゥ州のジャヤラリター州首相が率いる全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟(AIADMK)がタミルナドゥ州内で圧勝、オディシャ州のビジュ・ジャナタ・ダル(BJD)も圧勝したが、他党が伸びなかった。またどれの政党連合にも加わらなかった各党では、西ベンガル州のバネルジー州首相が率いる草の根会議派(TC)が圧勝した(同党の当選者の中には"ネタジ"スバス・チャンドラ・ボースの甥の子、スガタ・ボース教授も含まれている)。社会党(SP)とジャナタ・ダル統一派(JD-U)は大敗、大衆社会党(BSP)はそれなりの得票を得たにもかかわらず議席ゼロに終わった。反汚職新党としてケジリワル党首(前デリー都首相)がヴァラナシ選挙区に立候補、BJPのモディ首相候補と直接対決となったアームアードミ党(AAP、庶民党、一般人党)はケジリワル党首が落選、躍進の予想にもかかわらず4議席にとどまった。
この結果21日にもモディ新首相が誕生することになるが、同新首相は2003年にヒンズー教徒とイスラム教徒が衝突した「グジャラート暴動」を黙認・煽動した疑いをもたれており現在もアメリカへの入国禁止処分が解けていない。ただし最近はアメリカ大使と会見するなど、一定の関係改善の動きもみられる。なおアメリカ入国禁止処分もあり、モディ新首相は初の外遊先に日本を選んだ。
なお投票率は州ごとにバラツキが在ったが、全体として66%以上に達した。
詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比)
●国民民主同盟 計336
インド人民党 282(+166)
シヴ・セーナー 18(+7)
テルグ・デサム党 16(+10)
庶民の力党 6(+6)
アカリ・ダル 4(±0)
全国庶民平等党 3(新党)
アプナ・ダル 2(+2)
パタル・マカリ・カッチ 1(「労働者党」のタミル語、+1)
スワビナーミ・パクシャ 1(±0)
ナガ人民戦線 1(±0)
N.R.会議派 1(新党)
国民人民党 1(新党)
●統一進歩同盟 計59
国民会議派 44(-162)
国民主義会議党 6(-3)
全国ジャナタ・ダル 4(±0)
インド連邦ムスリム連盟 2(+2)
ジャールカンド解放戦線 2(±0)
ケララ会議派 1(±0)
●第三戦線 計77
全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩同盟 37(+28)
ビジュ・ジャナタ・ダル 20(+6)
社会党 5(-18)
ジャナタ・ダル統一派 2(-18)
ジャナタ・ダル世俗派 2(-1)
左翼戦線 小計11
・インド共産党マルクス主義派 9(-7)
・インド共産党 1(-3)
・革命社会党 1(-1)
●その他
草の根会議派 34(+15)
テランガナ国民団 11(+9)
YSR会議派 9(新党)
アームアードミ党 4(新党)
全インド統一民主戦線 3(+2)
ジャンムー・カシミール人民民主党 3(+3)
インド国民ローク・ダル 2(+2)
シッキム民主戦線 1(±0)
全インド統一ムスリム評議会 1(±0)
無所属 3
その他、100万票以上獲得して議席を得られなかった政党
・大衆社会党(2300万票弱、北部ウッタル・プラデシュ州の旧被差別民を基盤とする大政党)
・ドラヴィダ進歩同盟(960万票強)
・民族進歩ドラヴィダ同盟(200万票強)
・ジャールカンド勝利戦線(160万票弱)
・復興ドラヴィダ進歩同盟(140万票強)
・全インド前進同盟(120万票強、「左翼戦線」加盟のチャンドラ・ボース派左派)
・インド共産党マルクスレーニン主義解放派(100万票強、毛沢東主義)
なお同時にアーンドラ・プラデシュ州を分割して新設されるテランガナ州と(新)アーンドラ・プラデシュ州の州議会議員選挙、アルナーチャル・プラデシュ州議会議員選挙、オディシャ州議会議員選挙、シッキム州議会議員選挙も行われ、アルナーチャル・プラデシュ州を除き各州の地域政党が強みをみせた。これはインド人民党(BJP)が今回、全国レベルで圧勝しながらその独自の選挙基盤においては北インドと西インドに偏っており、南インドや東インドでは有力な地域政党の支えがなければやっていけない実情を示している。
テランガナ州議会(定数119、小選挙区制。カッコ内は前回比)
テランガナ国民団 63(+53)
国民会議派 31(-31)
テルグ・デサム党 15(-21)
全インド統一ムスリム評議会 7(±0)
大衆社会党 2(+2)
インド人民党 1(-1)
アーンドラ・プラデシュ州議会(定数175、小選挙区制。カッコ内は前回比)
テルグ・デサム党 100(+43)
YSR会議派 67(新党)
インド人民党 5(+5)
無所属 2
アルナーチャル・プラデシュ州議会(定数60、小選挙区制。カッコ内は前回比)
国民会議派 42(±0)
インド人民党 11(+8)
アルナーチャル人民党 5(+1)
無所属 2
オディシャ(オリッサ)州議会(定数147、小選挙区制。カッコ内は前回比)
ビジュ・ジャナタ・ダル 117(+45)
国民会議派 16(-31)
インド人民党 10(+4)
インド共産党マルクス主義派 1(+1)
平等クランティ・ダル 1(新党)
無所属 2
シッキム州議会(定数32、小選挙区制。カッコ内は前回比)
シッキム民主戦線 22(-10)
シッキム・クランティカリ戦線 10(新党)
インド国民会議派 公式サイト(英語中心)
http://www.inc.in/
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