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2014-04-06

【アフガニスタン】大統領選挙は前元閣僚3名の混戦模様

5日、アフガニスタンで大統領選挙の第1回投票が行われた。今回の大統領選では9.11とタリバン政権の崩壊以後、国の舵取りを担ってきたカルザイ大統領は憲法の3選禁止規定のため立候補できず、前元閣僚3名を軸に8名が争う(ほかに3名が選挙戦から撤退)混戦状態となっている。

反政府武装勢力としてのタリバンが未だ地方を中心に根強いアフガニスタンでは世論調査の信頼性は乏しいが、いちおうアブドラ元外相とガニ元財務相がリードし、それをラスール前外相が追う展開となっている。うちアブドラ元外相は前回大統領選の決選投票でカルザイ大統領を批判して撤退した経緯があるがキリスト教民主主義のイスラム版である「イスラム民主主義」を掲げており、中道右派色がある。いっぽうガニ元財務相はアフガニスタン社会民主党(アフガン・メラット(国民)党とも)などの支援を受けており、中道世俗色が強い。またラスール前外相は公式にはどの候補も支持していないカルザイ大統領の支援を同じパシュトゥン民族として水面下で受けているといわれている。ほかにサウジアラビアの支援を受けるイスラム厳格派・ワッハーブ派のサヤフ下院議員(ソ連のアフガン侵攻時にパキスタンのペシャワールを拠点として抵抗したムジャヒディン7派の元議長で、思想的にはタリバンやアルカイダに近いとされ、実際に彼らを育成したという)らも立候補している。

アフガニスタン社会民主党は社会民主主義を明確に掲げるが、同時に国内多数派であるパシュトゥン民族主義の傾向が非常に強いこともあり、社会主義インターには加盟していない。ソ連のアフガン侵攻に際してはペシャワール拠点のムジャヒディン7派のうちアフガニスタン民族イスラム戦線(民族主義の非イスラム原理主義派。今回は社会民主党と並んでガニ元財務相を支援)の傘下にあったが、その後独自の政党としてカルザイ氏を暫定政権の議長(首相)に選出した01年12月のボン合意にペシャワール・グループの一派として参加した。現在も下院に十数議席を有している。だが今回の大統領選挙では社会民主党が推すガニ元財務相は第一副大統領候補に元ウズベク人軍閥指導者で世俗派のドスタム将軍を選んでおり、パシュトゥン民族主義の傾向も多少は緩和させているとみられる。

しかし選挙へのタリバンの妨害は激しく、投票日当日も各地の投票所などで多発した爆弾テロで20名の死亡が確認されたほか、「投票した者は殺害する」というタリバンの脅しに屈して投票所を閉鎖したり実質的に投票不可能な地区の存在も報道されるなど、いまだアフガニスタン戦争の傷はほとんど癒えていないことが伺える。新大統領はこうした苦境にあるアフガニスタンの治安およびインフラを中心とした再建が急務となる。

なお選挙実施の困難さ(日本は選挙監視団の派遣を治安上の理由で見送った)を反映して暫定集計の発表は今月24日、選管からの公式結果発表は来月14日に予定されている。今回は第1回投票であるため、過半数を獲得する候補者がいない場合は上位2者による決選投票が実施される。

アフガニスタン社会民主党 公式サイト(英語およびダリ語)
http://www.afghanmillat.org/
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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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