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2013-09-27

【スリランカ】州議選で与党・自由党が優勢、タミル民族派も善戦

21日、スリランカの9州のうち3州で州議会議員選挙(比例代表制)が行われた。うち、中央州と北西州ではラジャパクサ大統領を支える最大与党で民主社会主義を掲げるスリランカ自由党(SLFP、社会主義インターには非加盟)を中心とする「統一人民自由同盟」(UPFA)が過半数を獲得したが、長らく残忍な自爆攻撃を行うなど猛烈に政府と戦ってきたタミル人反政府過激武装組織「タミル・イーラム解放の虎」(LTTE、タミル・タイガー)の影響力がその壊滅まで強かったため選挙が不可能だった北部州議会ではLTTE崩壊後も残るタミル人穏健派を基盤とする政党連合「タミル国民同盟」(TNA)が8割近くを得票し圧勝、同地域でのタミル民族主義への根強い支持が浮き彫りになった。2大政党の一方である保守系の統一国民党(UNP)は大敗し、ほかにラジャパクサ大統領と並ぶ内戦勝利の立役者ながら前回大統領選挙で立候補、敗退後に逮捕・収監されたフォンセカ元軍参謀長(昨年釈放)の民主党、スリランカ・ムスリム会議などが少数の議席を得た。

SLFPは民主社会主義を掲げると同時にスリランカの多数民族であるシンハリ人の民族主義および仏教(上座部仏教)への特権付与を主張してきたため、ヒンズー教徒の多いタミル人とは英国植民地時代から対立してきた。また、スリランカでは共産党や平等社会党(トロツキスト)など左翼勢力もSLFPと同調してきた経緯がある。最近はこれに加え、仏教僧ナショナリストの国民遺産党(JHU)や、タミル人勢力ながらLTTEと対立し、その内ゲバ的な武力攻撃を受けてきたイーラム人民民主党(EPDP)なども与党連合に加わっている。ほかに共産党から数十年前に分裂した極左毛沢東主義でシンハリ民族主義の元武装組織・人民解放戦線(JVP、かつては南部ジャングルを拠点としていたが現在は政府と和平を結び政党化)もあり、一時は与党連合に加わり自由党に次ぐ与党第2党になったが、前回大統領選を前に与党を離脱しフォンセカ陣営について以来は勢力を失い、今回も惨敗した。加えて、シンハリ人には「スリランカでは多数派だが、スリランカのタミル人の背後には南インドのタミル人が控えている(人口はシンハリ人の4倍にのぼる。ただし、そのタミル人も北インドに対しては少数民族)」という意識も根強く、いわゆる「左=右」の対立軸よりもインドとも絡む複雑な民族問題が焦点となっている。

今回、特に北部州議選はLTTEの壊滅によるスリランカ内戦の終結後、民主主義の審判を州レベルで仰ぐ最初の機会となったが、内戦が終結したとはいえ特にタミル人のあいだに国内難民はじめ生活困窮者が蔓延するなか、独立要求を取り下げているものの「高度な自治権付与」を求めているTNAの圧勝は、南アジア(インド圏)のなかでは高度の福祉国家といえるスリランカにおいてさえも、その内部に抱える民族対立が今なお深刻であることを示している。

各州の選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比、北部州には無い)。

●中央州(定数58)
 統一人民自由同盟 36(±0)
 統一国民党 16(-6)
 民主党 2(新党)
 セイロン労働者会議 2(+2、国政では統一人民自由同盟に参加)
 高地人民戦線 1(+1、国政では統一人民自由同盟に参加)
 スリランカ・ムスリム会議 1(+1)

●北西州(定数52)
 統一人民自由同盟 34(-3)
 統一国民党 12(-2)
 民主党 3(新党)
 スリランカ・ムスリム会議 2(+2)
 人民解放戦線 1(±0)

●北部州(定数38)
 タミル国民会議 30
 統一人民自由同盟 7
 スリランカ・ムスリム会議 1
 
#選挙は各州内の県を選挙区に行われるため、県別に各小政党は例えば統一人民自由同盟に参加したり独自に立候補したり、まちまちである。
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西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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