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2013-05-04

【英国】イングランド地方選で労働党と反EU右派が躍進

2日、英国のイングランド地域を中心にカウンティ(州)レベルを中心とする地方議会選挙(小選挙区制または大選挙区完全連記式)が行われ、ミリバンド党首率いる国政野党第1党の労働党(社会主義インター加盟政党)と反欧州連合(EU)右派の英国独立党が躍進する結果となった。

今回、選挙が行われた地方議会では、キャメロン首相率いる保守党は4年前の前回選挙に比べて合計で1136議席を獲得したが、前回比335議席減にとどまった。いっぽう労働党は291議席増の538議席となり、4年前のブラウン政権下での大敗分を取り戻し、倍増以上の躍進を果たした。保守党が獲得した議席は農村部のカウンティが多いため、実際の得票数においては議席差以上に接近する結果となった。

また与党第2党の自由民主党は124議席減の352議席となり、緊縮財政策を進めた保守・自民の両与党に厳しい審判が下る結果となった。これに対して反EUを掲げる右派ポピュリストの英国独立党は保守票の受け皿となり147議席を獲得、前回比で実に139議席、18倍以上もの議席増となった。これまでミニ政党とみなされてきた英国独立党は事実上、小選挙区を次々と制した今回の選挙結果に勢いづいており、現在は小選挙区制の英国下院に1議席も保持していないにもかかわらず、来年の欧州議会選挙の英国選挙区(比例代表制)では第1党に躍り出ることが有力視されている(前回も第2党で、ファリッジ党首を欧州議会に送り込んでいる)。また今回の結果を受けて保守党が独立党に近づき右傾化およびEU離れを強めた場合、親EUかつ中道の自由民主党との距離感も広がることとなり、キャメロン政権の不安定化につながりかねない。

英国労働党 公式サイト(英語)
http://www.labour.org.uk/
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西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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