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2013-04-23

【パラグアイ】大統領選で中道・左派が3陣営分裂選挙のうえ敗北

21日、南米パラグアイで大統領および上下両院議員の選挙が行われた。その結果、大統領選では08年の前回選挙で61年ぶりに与党から転落した穏健保守派のコロラド党(正式名称は「国民共和協会=コロラド党」)の擁立した国内でも屈指の実業家、カルテス氏が勝利し政権を奪還、中道左派勢力は野党に転落した。なおコロラド党は61年間の与党暮らしのうち、1954年から89年まで当時のストロエスネル大統領の長期軍事独裁政権を支えた政党で、一党独裁政党だった時期もある。

前回の大統領選挙ではキリスト教社会主義・カトリック左派グループ「解放の神学」に近かったルゴ司教が中道左派勢力を結集し当選し、パラグアイに(政党単位で見た場合は)61年ぶりの政権交代をもたらした。しかしその後、中道左派勢力のなかで内輪もめが発生、ルゴ大統領が独身が要求されるカトリック司教時代に隠し子をもうけていたなどのスキャンダルも発覚し、さらに南米でも経済的に立ち遅れ保守的な大地主が強い同国らしく農地解放運動の一環としてコロラド党元上院議員の土地を占拠した農民と警官隊が衝突し17名が死亡する事件をきっかけに昨年6月、上院で弾劾裁判が行われ大統領を罷免される事態となっていた。その後任には中道左派勢力内中道リベラル派・真正急進自由党のフランコ副大統領が昇格したが、この弾劾はルゴ大統領の追い落としを図るコロラド党などの保守派と中道左派勢力内の最大政党であった真正急進自由党が組んで行ったものとされ、ルゴ大統領派の閣僚経験者は罷免を「クーデター」と表現した。またルゴ大統領と友好関係にあった近隣諸国の反米左派政権との関係も険悪化した。

しかし中道左派勢力はその後に3勢力に分裂し、ルゴ前大統領支持派は左派・連帯の国党(社会主義インター加盟政党)と共産党が連合して「大戦線」を結成、さらに反ルゴ派の中道左派も真正急進自由党・民主進歩党(社会主義インターに招待)・国民遭遇党(社会民主主義政党)などによる「幸せなパラグアイ」と、二月革命党(社会主義インター加盟政党)・キリスト教民主党・社会主義への運動党などによる「前進する国」に2分、分裂選挙となった。大統領選挙には「幸せなパラグアイ」は真正急進自由党のアレグレ氏、「前進する国」は統一候補としてフェレイロ氏、「大戦線」はルゴ派のカリリョ氏を、それぞれ擁立した。

大統領選挙には他に穏健保守・最愛の祖国党がカリゾサ候補、さらに前回約2割の得票で3位と善戦したオヴィエド元陸軍司令官(たびたびクーデター未遂を起こし国外亡命を強いられたこともある)が前回に引き続きコロラド党右派から分派した強硬保守の倫理市民全国同盟から擁立されたが同候補は2月にヘリコプター事故で死亡、急きょ元司令官の甥であるオヴィエド上院議員を代理候補として擁立した。とはいえ選挙は事実上、コロラド党のカルテス氏と「幸せなパラグアイ」のアレグレ氏の一騎打ちとなっていた。

選挙結果はコロラド党のカルテス候補が46%弱、「幸せなパラグアイ」のアレグレ候補が37%弱を獲得し、中南米の選挙としては接戦となったが、カルテス候補が逃げ切りコロラド党政権を復活させることとなった。他候補では「前進する国」のフェレイロ候補が6%弱、「大戦線」のカリリョ候補が3%強、最愛の祖国党のカリゾサ候補が1%強、倫理市民全国同盟のオヴィエド上院議員が1%弱にそれぞれ留まり、惨敗した。しかし中道・左派3勢力の得票を足せばコロラド党のカルテス候補とほぼ拮抗しており、3分裂選挙が響いたことになる。

また上院選挙(定数45、比例代表制)、下院選挙(定数80、比例代表制)でも開票は終了していないが同様の傾向となっており、コロラド党が両院で第1党となる見通し。ただし両院とも過半数は獲得できないとみられる。これに続き真正急進自由党が両院で第2党となり、他の左右の小政党も大統領選よりは善戦する模様。

なお各選挙の投票率は、ほぼ70%前後だった。

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今回の選挙結果をチャベス・前ベネズエラ大統領の死去や後継者マドゥロ大統領の(僅差で勝利したとはいえ)苦戦と並んで「中南米の反米左派政権退潮の始まり」とする論調も見られます。果たしてそれが本当なのか、注視していきたいと思います。
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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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