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2014-11-30

【デンマーク領グリーンランド】女性首相辞任による議会選でシュームットが第1党維持も後退

 28日、北極近くのグリーンランド(デンマーク領)で自治議会の繰上げ解散にともなう総選挙(定数31、比例代表制)が行われた。その結果、第1党のシュームット(「前進」の意、社会主義インター加盟政党)はその座を維持したものの議席後退、より左派色、分離独立色の鮮明なイヌイット・アタカティギート(イヌイット共同体の意、「イヌイット友愛党」とも訳される。スウェーデン左翼党などと「北方緑の左派」に加盟している)に並ばれる結果となった。

 今回の繰上げ解散総選挙は、シュームットの女性党首ハモンド自治政府首相が公的資金の支出をめぐるスキャンダルで辞任に追い込まれたことで行われた。そのためシュームットにとっては逆風となり、似た政策(ただしより急進的)を掲げるアタカティギートには追い風となった。またシュームットから分離したエノクセン元首相らのグループがナレラク党(指向点党)を結成したこともマイナスに働いた。

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辞職したハモンド・前自治政府首相

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キールセン暫定首相(シュームット)

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ナレラク党から当選した3名の議員。左がエノクセン元首相。

今後だが、自治議会はシュームット、アタカティギート、その他で3分される情勢となったため、合意の形成はなかなか難しいと思われるが、人口が少なく政治に人的要素が大きいグリーンランドでは左右連立など意外な組み合わせが飛び出す可能性もある。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。
シュームット 11(-3)
イヌイット・アタカティギート 11(±0)
民主党 4(+2)#中道右派リベラル、親欧州
ナレラク党 3(新党)
連帯 2(±0)#中道右派リベラル

シュームット 公式サイト(デンマーク語、カラーリット語)
http://www.siumut.gl/
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2014-11-25

【チュニジア】大統領選第1回投票で世俗派優勢

23日、北アフリカのチュニジアで「ジャスミン革命」後の民主化の総仕上げとなる大統領選挙の第1回投票が行われた。その結果、先日の議会選で躍進し第1党となった世俗派の「ニダチュニス」(チュニジアの呼びかけ)のセブシ元首相が4割弱の得票を集めて第1位となったものの、現職のマルズーキ大統領(共和国のための会議)も33%を集めて2位に入り、両者による決選投票が来月28日に行われることとなった。

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国旗を背に演説するセブシ元首相

セブシ元首相は「ジャスミン革命」で追放されたベンアリ政権下で外相を務めた経験を持つベテラン政治家で、87歳と高齢だが、それを押して立候補した。「ニダチュニス」も社会主義インターを「革命」後に追放された立憲民主連合(解党)の後継政党としての色合いを持つ。いっぽうマルズーキ大統領の「共和国のための会議」は世俗派中道左派の中規模政党だが、「ジャスミン革命」後の憲法制定議会選挙以降、イスラム主義の「アンナハダ」と連立政権を組んできた経緯をもつ。このため「アンナハダ」からは今回、候補者が出ていない。両党と連立を組んできた「労働と自由のための民主フォーラム」(エタカトル、社会主義インター・進歩同盟加盟政党)のジャアファル党首は今回、立候補したものの惨敗した。

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スピーチするマルズーキ大統領

年末となる来月28日の決選投票においてもセブシ元首相が優勢とみられるものの、マルズーキ大統領にも勝機はあり、中道左派色の強い世俗派どうしの激しい選挙戦が予想される。
なお第1回投票の投票率は65%弱だった。

ニダチュニス 公式サイト(アラビア語)
http://www.nidaatounes.org/
労働と自由のための民主フォーラム 公式サイト(アラビア語)
http://ettakatol.org/
2014-11-18

【ルーマニア】大統領選決選でポンタ首相が予想外の逆転敗北

16日、ルーマニアで大統領選挙の決選投票が行われた。事前世論調査のほとんどは第1回投票で優勢だった社会民主党(社会主義インター、進歩同盟加盟政党)のポンタ首相の勝利を予想していたが、17日まで続いた開票の結果、第1回投票では2位だった中道右派連合のヨハニス国民自由党党首が予想外の大差をつけて逆転勝利を決め、ポンタ首相にとっては逆転敗北となった。

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決選投票に向けて選挙運動を展開するヨハニス国民自由党党首(シビウ市長)

ヨハニス党首はチャウシェスク時代の旧共産党の統治機構を引き継いだ旧・救国戦線の色彩が強い社会民主党の汚職体質を舌鋒鋭く批判し、投票率も53%強から64%強へと急上昇。汚職や経済改革の遅れに対する有権者の怒りを結集することに成功した。

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選挙後の17日、敗北を認めるポンタ首相(中央)

しかしポンタ首相は首相ポストからの辞任を否定して続投を表明、議会での多数を背景にコアビタシオン(保革共存、「ねじれ政治」に近い)政権の継続を目論んでいる。とはいえ予想外の大差となった敗北を背景に、社会民主党内での求心力を失い党内から退陣要求が出る可能性もある。

いずれにせよ欧州連合(EU)には加盟したものの汚職体質の強さから外国からの投資が進まず、国内産業の育成が遅れているルーマニア経済は、EU圏内への出稼ぎ労働者からの送金に経済の無視できない多くを頼っているのが実情で、ヨハニス大統領=ポンタ首相の新政権はこうした経済情勢からの脱出に総力をあげることを迫られることとなる。

社会民主党 公式サイト(ルーマニア語)
http://www.psd.ro/
2014-11-06

【アメリカ】中間選挙で民主党敗退も民主社会主義議員再選

4日、アメリカで中間選挙が行われ、連邦上院(定数100、事実上の小選挙区制)の3分の1、下院(定数435、小選挙区制)の全員が改選された。下院はもともと保守・共和党が優位だったが、上院も共和党に過半数を奪われ、残り任期2年となったオバマ政権にとってはレームダック化も含む大きな痛手となった。

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演説するオバマ大統領

しかしいっぽう、シカゴ周辺にあたる下院のイリノイ州第7選挙区では黒人のダニー・K.デーヴィス議員(民主党)が圧倒的な得票で当選した。同議員は社会主義インターに加盟する「アメリカ民主社会主義者」の一員であり、ほかにも労働運動、環境保護団体などから支援を受けている。

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ダニー・K.デーヴィス連邦下院議員

なおイリノイ第7区はいわゆるマイノリティ選挙区で、黒人有権者が多数を占めるよう人為的、ゲリマンダリング的に線引きがなされている。
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イリノイ第7区。不自然な選挙区割りがされていることが分かる。

また米民主党は社会主義インターには党としては加盟していないが、インターおよび進歩同盟にコミットはしている。

ダニー・K.デーヴィスの下院議員としての個人サイト(英語)
http://www.davis.house.gov/
アメリカ民主社会主義者 公式サイト(英語)
http://www.dsausa.org/
2014-11-04

【ルーマニア】大統領選第1回投票でポンタ首相が優勢

2日、ルーマニアで大統領選挙の第1回投票が行われた。その結果、社会民主党(社会主義インター・進歩同盟加盟政党)のポンタ首相が約4割の得票で首位に立ち、約3割の得票にとどまった保守系連合のヨハニス国民自由党党首(シビウ市長。同市は07年度欧州文化首都に選ばれた古都)とのあいだで決選投票が2週間後の16日に行われることとなった。

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大統領選で首位に立ったポンタ首相(右。社会民主党議長)。左はドラグネア社会民主党執行委員長

今回は現職で保守系のバセスク大統領は憲法の3選禁止規定のため出馬できず、代わってこれまでバセスク大統領と激しい政局争いを演じてきたポンタ首相(大統領は保守系、首相は2年前から社会民主党だったため「ねじれ現象」に近いコアビタシオン状況となっていたことになる)が事実上の現職として前政権の緊縮財政を批判、経済再建や雇用・年金・生活重視政策の継続を掲げて優位に選挙戦を運んだ。ルーマニア進歩のための国民同盟、保守党(ルーマニアの保守党…旧人道党…はむしろ民主社会主義右派に近いとされる)の2つの中小政党もポンタ首相を支援した。

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社会民主党から大統領候補に指名されるポンタ首相夫妻

しかしポンタ首相は政府の汚職体質や諜報機関および不正選挙疑惑などを他候補、および在外有権者から厳しく批判され、誹謗まで交えた論戦の激しい選挙となった。だがポンタ首相が政権を握る利を活かしたうえ、ヨハニス党首が昨年までドイツ系少数民族政党の党首だったことを取り上げて民族主義的な主張(ドイツ系のヨハニス党首はプロテスタントであることがルーマニア正教会信徒が多数を占めるルーマニアでは違和感を持って受け止められている)も展開、ヨハニス党首に差をつけた。決選投票でも、ほとんどの世論調査がポンタ首相の勝利を予測している。なお3位には党首まで務めた国民自由党を追われたポペスク=タリチェアヌ元首相(現上院議長)が入ったが、得票率は5%強にとどまった。その後、3%台の8位までまで6名がどんぐりの背比べのように並んだ。

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ヨハニス国民自由党党首の選挙看板

社会民主党はルーマニア革命でチャウシェスク政権を打倒した救国戦線の左派(イリエスク前大統領派)によって構成される政党だが、社会民主主義・民主社会主義を掲げるにもかかわらず(チャウシェスク政権後期は冷遇されたとはいえ)旧共産党幹部だったイリエスク氏の来歴に象徴されるように救国戦線が持ち合わせていた旧共産党的体質を強く残していることへの拒否感から、社会主義インターへの加盟を長く認められなかった経緯をもつ。しかし社会主義インターに加盟していた小政党のルーマニア社会民主党を01年に合併し、その後継政党ということで渋々ながら社会主義インターへの加盟を認められている。

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イリエスク前大統領(中央、現社会民主党名誉議長)。右は後に救国戦線右派になるロマン元首相(89年末のルーマニア革命時の写真で、この時点ではまだチャウシェスクは処刑されていない。肩書きは現在)

いっぽう保守陣営はミハイ元国王を大統領候補に擁立したこともある国民自由党、および救国戦線右派が源流の民主自由党が提携を組み、汎ヨーロッパ的な観点からもドイツ系のヨハニス国民自由党党首を都市リベラル的な中道右派統一候補として擁立したが、キリスト教民主国民農民党や少数民族政党のハンガリー民主同盟は加わらず、保守陣営全体の統一はとれなかった。さらに大ルーマニア党など極右勢力も別の候補を擁立した。特にマフィアやかつてチャウシェスク時代の孤児たち(秘密警察セクリタテアの人材源とされた)とのつながりもささやかれる大ルーマニア党は現在は退潮(今回選挙では3%台)とはいえかつて大統領選の決選投票に残ったこともあるなど侮れない勢力を持つうえ、左派が民族主義的なルーマニアではむしろ保守陣営より社会民主党に近いなど、特徴的な存在となっている。

ルーマニアは半大統領制を採用しており、内政を中心とする行政権は首相にあるが、大統領もその首相の任命権や外交安全保障などでの大きな権限を有しており、政局を左右する権能を有している。実際の権力分担はその時どきの時勢や政局に左右される部分があり、今回はポンタ首相優位に事態が運んでいる模様だ。

なお第1回投票の投票率は53%強にとどまり、有権者の政治離れがあらわになる結果となった。

社会民主党 公式サイト(ルーマニア語)
http://www.psd.ro/
プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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