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2013-05-25

【国際】新インター「進歩同盟」が結成

5月22日、ドイツ社会民主党(SPD)が中心となって「進歩同盟」が、ドイツのライプツィヒにて結成された。「進歩同盟」は「21世紀のための進歩勢力のネットワーク」、すなわち新たなインターナショナルとして、進歩主義者、社会民主主義者、社会主義者、労働者の政党によって構成されるという。なお昨年2012年にローマで行われた会議を「結成大会」と位置づけ、今回5月22日の会合を「第2回大会」と位置づける向きもある。

この動きに先鞭をつけたSPDは、ガブリエル党首が「社会主義インターに多額の財政負担をしているにもかかわらず、運営が民主的に行われていない」ことを結成理由に挙げた。新しいインターへの参加政党はまだ確定していないが、英国労働党、フランスの社会党(PS)、イタリアの民主党(PD)、アメリカの民主党、スペイン社会労働者党(PSOE)、スウェーデン社会民主労働者党、インド国民会議派(INC)、ブラジルの労働者党(PT)、オーストラリア労働党(ALP)、オーストリア社会民主党、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)、イスラエル労働党、ノルウェー労働党、オランダ労働党(PvdA)、ファタハ(パレスチナ)、公正ロシア、アフリカ民族会議(ANC、南アフリカ)、韓国の民主党など、世界各地の約70政党に参加の動きが広がっているという。ただし日本の民主党および社会民主党は招かれていない模様。

この動きが参加各党の社会主義インターからの一斉脱退に直ちに結びつくものではないが、アメリカの民主党やイタリアの民主党をはじめ、ブラジルの労働者党、インド国民会議派、韓国の民主党といった、これまでインターから漏れていた大政党にも参加の動きがあることが注目される。今回の動きは社会主義インター内における新派閥の旗揚げと位置づけることも可能ではあるが、今後は加盟政党の会費の支払いなどをめぐって社会主義インターの二分、もしくは二重加盟の恒常化などが考えられる。

進歩同盟 公式サイト(英語)
http://progressive-alliance.info/en/
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2013-05-16

【カナダ】ブリティッシュ・コロンビア州議選で新民主党僅差で政権奪還ならず

14日、カナダ太平洋岸のブリティッシュ・コロンビア州(以下BC州、最大都市はバンクーバー)で州議会議員選挙(定数85、小選挙区制)が行われた。あらゆる事前予想はBC新民主党(社会主義インター加盟政党である連邦レベル新民主党に連なる組織)の優勢を示していたが、開票の結果はクラーク州首相が率いる与党・BC自由党が「強い経済」をスローガンに議席を伸ばして逆転勝利し、新民主党による政権奪還はならなかった。ただしクラーク州首相みずからは小選挙区で落選した。

BC自由党はかつては連邦レベルの自由党と提携していたが、現在は連邦自由党・連邦保守党の両党とも関係がなく、独自の中道右派政党となっている。いっぽうBC州には保守党も存在するが、連邦レベルと違いミニ勢力であり、今回も議席を獲得できなかった。その他、BC緑の党が初めて1議席を獲得した。クラーク州首相も当面は留任できるが、近いうちに補欠選挙で議席を得ることが必要とされる。なおクラーク州首相は不人気な統合売上税(HST)をめぐって辞任したキャンベル前首相(現在は駐英カナダ高等弁務官=英連邦諸国間の大使相当)のあとを受けて就任し、今回が州首相として臨む初の選挙となったが、党としては前回選挙後に過半数ぎりぎりにまで落ち込んでいた議席を回復させたものの、自らは落選する苦い結果となった。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)

自由党 50(+1)#選挙前は45議席まで減らしていた
新民主党 33(-2)
緑の党 1(+1)
無所属 1

ブリテッシュ・コロンビア新民主党 公式サイト(英語)
http://www.bcndp.ca/

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2013-05-15

【フィリピン】中間選挙でアクバヤンが議席を確保

13日、フィリピンで中間選挙がいっせいに行われた。今回の選挙では上院(定数24・半数改選、全国一区完全連記式)、下院(定数292・小選挙区比例代表並立制、ただし比例代表部分は1名簿あたり最大3議席まで)、州知事・副知事および州議会議員、市町長・副市町長および市町議会議員、ムスリム・ミンダナオ自治地域(ARMM)知事・副知事および地域議会議員の選挙がいっせいに行われ、選出されるポストの数は1万8千人を上回る。なお最基層自治体であるバランガイ(村区などと訳される)の選挙は今回は含まれず、今秋10月に行われる予定。

今回の選挙では下院では「ノイノイ」アキノ大統領を支持する社会自由主義的な自由党(LP)系列の与党連合が100議席を上回り第1勢力となる見通し。なおアクバヤン市民行動党(社会主義インター加盟政党)も与党連合に加わっており、数議席を獲得するものとみられる。いっぽうビナイ副大統領を指導者とする野党連合・統一民族主義同盟(UNA、ビナイ副大統領のフィリピン民主党-民主の力(PDP-ラバン)、エストラダ元大統領およびエンリレ上院議長のフィリピン大衆勢力(PMP)などで構成)は今ひとつ伸びていない。ほかに食品企業として国際的に有名なサン・ミゲル・グループのコファンコ会長が率いる民族主義人民連合(NPC)、アロヨ前大統領を支えたラカス・キリスト教イスラム教民主同盟(Lakas-CMD)、ラカスから分裂した民族統一党(NUP)、100年以上の歴史を誇る古参の保守政党で一時はマルコス政権を支えた国民党(NP)などが一定勢力を獲得する見通し。上院は全国一区のため開票および集計作業に時間を要し、まだ公式な結果は出ていないが自由党系が優勢とみられ、すでに改選12議席中9議席を確保したとも報じられている。この結果、アキノ政権は安定度を増したとする観測が強い。

またエストラダ元大統領がマニラ市長選に出馬し、エストラダ派から自由党系に転じたリム市長をみずから破ってその再選を拒んだ。ほかに故マルコス元大統領のイメルダ夫人が国民党から下院議員に再選された。マルコス政権打倒の立役者のひとりでありながらその後に反コラソン・アキノ政権に転じ、2度のクーデター未遂事件を起こしたホナサン元大佐も民族主義人民連合から上院議員再選をめざしているが、まだその当落は明らかでない(追記:最終的にホナサン元大佐は最下位当選の12位に食い込んだ。いっぽうアクバヤン候補は上院では全国で1千万票以上を集めたが、完全連記式のためわずかに及ばなかった)。

なお下院の比例代表部分も上院と同様に全国一区で行われるが、最大でも1名簿あたり3議席しか割り当てられない変則的な方式となっているため、小政党を別にすれば大政党系列の団体が地域別・職能別にグループを組織して立候補する傾向があり、しかも投票所で上位に書かれるために「A」を頭文字にするグループが非常に多いなどの特徴がある。

フィリピン政治は、アジアの政治には多いことだが思想傾向が弱く「社会主義」や「中道左派」を掲げていても必ずしも額面どおりでないことが多い。例えばエストラダ派のフィリピン大衆勢力は「中道左派ポピュリスト」とも評されるが、そこに加わっているエンリレ上院議長は最後には反旗を翻したとはいえ、マルコス政権下で国防相を務めたなどの具合である。実際、80年代から90年代にかけて日本でもフィリピン支援のNGO活動が盛んだったが、連携していたフィリピンの左派勢力が分裂を繰り返したことで受け皿が失われ、下火になった経緯もある。

アクバヤン市民行動党 公式サイト(英語など)
https://akbayan.org.ph/

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2013-05-14

【ブルガリア】国民議会総選挙で社会党が議席倍増

12日、東欧ブルガリアで国民議会(一院制議会。定数240、小選挙区比例代表並立制だが、小選挙区は各県から1議席のみのため、比例代表の比率が大きい。比例代表は4%阻止条項)の総選挙が行われ、ボリソフ前首相が率いる中道右派「欧州発展のためのブルガリア市民(GERB)」が議席を減らしながらも第1党を維持した。しかし旧共産党を引き継ぐブルガリア社会党(社会主義インター加盟政党)を中軸としてスタニシェフ元首相をリーダーとする「ブルガリアのための連合」が前回、大幅に減らした議席を急回復してGERBと伯仲する第2党となり、今後の政権の枠組みは不透明なものとなった。

今回の総選挙は当初は夏に予定されていたが、2月に電力料金の急騰に対する抗議デモが全国に広がって各地で機動隊と衝突するなどし、事態収拾のためボリソフ首相が辞任、ライコフ駐仏大使を暫定首相として政権を譲り、同暫定首相が選挙管理内閣となる形で、今回の前倒し総選挙となっていた。欧州連合(EU)内でも最貧国に数えられるブルガリアでは貧困層など社会格差の拡大が深刻な問題となっており、GERBおよび社会党の両陣営ともそれぞれの雇用拡大策を訴えたが、全体としてはGERBに新産業育成策、社会党に低所得者減税など貧困層対策が目立った。

選挙の結果はGERBと社会党に続き、民主化以来トルコ系住民の堅い支持を集める「権利と自由運動」(MRFまたはDPS)および極右のアタカ(攻撃、の意)がそれぞれ第3党、第4党に入った。「権利と自由運動」はこの1月の党大会で創設者のドガン党首が「初代党首」の称号を得て退任したが、その大会でドガン党首への襲撃事件が起きるなどしていた。またアタカは通常は「ブルガリア正教会を奉じる極右」とされるが、ブルガリアの反欧州的なナショナリズム感情(反欧州のほか、反トルコ、反ロマ・ジプシーを強調する)は共産党時代に端を発している事情もあり、社会党の穏健化に不満を持つ極左層がなだれ込んでいるとする分析もある。また民主化運動以来議席を維持してきた民主勢力同盟(UDF)は4%阻止条項をクリアできず、ついに議席を失った。このほか新興右派のブルガリア救国戦線、中道派で旧・シメオン2世国民運動の分派の「市民のブルガリア運動」などが4%条項に迫ったがわずかにクリアできず、議席を獲得できなかった。なお「ブルガリアのための連合」には社会党のほか、社会民主主義者党(社会主義インター加盟政党)、農民同盟スタンボリスキ派、共産党、社会人道運動などが参加している。

今後は各勢力間の連立交渉が問題となるが「ブルガリアのための連合」と「権利と自由運動」(両者はかつては敵対していたが、シメオン2世国民運動を架け橋に連立を組んだこともある)では半数に1議席足りず、GERBとアタカの場合はぎりぎり過半数に達するが今回の繰り上げ総選挙はアタカのボリソフ政権への閣外協力解消で行われた事情もあり、場合によっては再度の解散総選挙の可能性もささやかれるなど、ボリソフ、スタニシェフ両氏を中心に各勢力にはぎりぎりの綱渡り政局を迫られることとなる。

投票率は約51%強と民主化以降最低で、有権者の政治嫌悪が現れる形となった。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

欧州発展のためのブルガリア市民 98(-19)
ブルガリアのための連合 86(+46)
権利と自由運動 33(-4)
アタカ 23(+2)

ブルガリア社会党 公式サイト(ブルガリア語)
http://www.bsp.bg/

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2013-05-13

【パキスタン】下院選挙で人民党が惨敗し政権交代へ

11日、パキスタンで国民議会(下院、公選定数272・小選挙区制。ほか女性留保議席60、宗教的少数派留保議席10)および4州議会(すべて小選挙区制が基本)の選挙が同時に行われた。その結果、暗殺されたベナジル・ブット元首相の夫であるザルダリ大統領とその長男であるビラワル・ザルダリ・ブット下院議員が共同党首として政権を率いてきたパキスタン人民党(PPP、社会主義インター加盟政党)は、汚職問題や経済運営の失政などが集中的な批判を浴び惨敗を喫して政権を失ういっぽう、故ベナジル・ブット元首相時代以来のライバルであるシャリフ元首相が率いる保守中道のパキスタン・ムスリム連盟ナワズ・シャリフ派(PML-N)が過半数をうかがう議席を獲得して、シャリフ元首相の首相復帰が確実となり、同元首相も勝利宣言を行った。クーデターや政変が頻発してきたパキスタンでは初の議会の任期満了による選挙にともなう平和裏の政権交代となる。

PPPは閣僚時代から汚職の噂が付きまとっていたザルダリ共同党首を大統領に押し上げたうえで、憲法を改正して半大統領制から首相を中心とする議院内閣制に移し、議会第1党であるPPPを通じて間接的に政治と行政府をコントロールしてきた。しかしPPPの議席は下院の過半数に満たず、政権基盤は弱かった。そのうえザルダリ大統領に対する裁判所からの汚職の告発やそれを妨げるギラニ首相(当時)の動きが法廷侮辱罪に問われるなど政争が絶えず、アシュラフ首相に代えたものの、政権を維持できなかった(なおアシュラフ首相は選挙前の慣例として超党派の選挙管理暫定内閣に政権を移している)。それでもPPPは劣勢を挽回すべく、ムシャラフ前大統領の与党だった保守中道のパキスタン・ムスリム連盟クアイディアザム派(クアイディアザムは「国父」の意味で、パキスタンでは建国の父ジンナーを指す)と連携して挽回をはかったが、及ばなかった。また、そのムシャラフ前大統領は亡命先から強行帰国して今回選挙に出馬しようとしたものの逮捕されて果たせず、支持者は選挙のボイコットを表明、PPPのアシュラフ前首相も選挙管理委員会によって立候補を認められなかった。このほか、これまで首都イスラマバードで「政治腐敗一掃」を旗印にPPP政権に対し数万人規模の反政府デモを展開したイスラム説教師カドリ師の支持者も、今度はシャリフ元首相とPML-Nへの反対の意思を示し、選挙ボイコットを呼びかけた。

いっぽうクリケットの元スーパースターで国民的英雄のイムラン・カーン党首が率いる中道の反体制・反汚職政党、パキスタン正義運動(PTI)は前回は下院選挙をボイコットしたものの、今回は政治批判票の受け皿となりPPPと並ぶ議席を得るまでに躍進した。ほかに1947年の印パ分離に際してインド側から逃れてきたムスリム難民(ムハージル)を起源とする世俗派リベラルの統一民族運動(MQM、旧名はムハージル民族運動。「モハジール民族運動」の表記も多かった)も一定の議席を確保した。イスラム原理主義政党はそれほど議席を獲得できなかった。

PML-Nが単独で下院の過半数を確保できるかは微妙だが、小政党の協力や無所属議員の入党・追加公認によって過半数に達するとみられている。だがシャリフ元首相はPPP政権の姿勢を「対外追随」としてきたため、いわゆる「対テロ戦争」に影響が出る可能性もある。ただイムラン・カーン氏やPTIのように「無人攻撃機の活動も認めない」とまで強硬な姿勢を採っているわけではない。ただムシャラフ前大統領(当時は陸軍参謀長)に追放された当事者であるシャリフ元首相には、パキスタンで事実上、最大の政治勢力となっている軍部や軍情報部(ISI)との関係が悪化することを懸念する声もある。前述のカドリ師を支える反政府グループも軍部との関係が密接だといわれるが、同グループは同時に「不正選挙を無効にするため」イムラン・カーン氏やPTIとの連携を視野に入れることも明言している。

選挙はパキスタン・タリバン運動(TTP)などイスラム原理主義系を中心とする過激武装勢力が暴力やテロで妨害を図るなかで行われ、政府側も軍隊を含めた治安部隊の大量動員で対策に臨んだ。それでも州議会選挙に立候補していたギラニ元首相の息子が誘拐されたほか、選挙事務所や投票所の爆破なども横行し、投票日にも世俗派左翼政党アワミ民族党(ANP)の事務所が爆破されて多数の死傷者を出した。また暴力とは別に女性有権者に投票させない地区の存在も発覚するなど、根深い女性差別・蔑視が浮き彫りになった。それでも投票率は約6割に達したと報じられている。

なお4州議会議員選挙では中部パンジャブ州(州都ラホール)で同州を地盤とするPML-Nが単独過半数を制し圧勝、PPPとMQMが地盤とする南部シンド州(州都カラチ)はPPPが過半数確保の見通し。カイバル・パクトゥンクワ州(旧・北西辺境州。州都ペシャワール)はPTIが第1党になるものの過半数は得られない模様。バロチスタン州(州都クエッタ)は開票が遅れているが、PML-Nおよび提携する地域政党が優勢とみられる。また下院および州議会にある女性および宗教的少数派留保議席は各党の獲得票ではなく、小選挙区での獲得議席に応じて比例配分されるため、留保議席を含めた全体としても小選挙区制ベースと見るのが妥当である。

現時点での小選挙区の詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は現時点での前回比だが、未確定のため参考)。

パキスタン・ムスリム連盟ナワズ・シャリフ派(PML-N)130(+59)
パキスタン人民党(PPP)35(-62)
パキスタン正義運動(PTI)33(前回はボイコット)
統一民族運動(MQM)17(-2)
イスラム法学者協会(JUI)7(+1)#前回は政党連合「統一行動評議会」として参加
パキスタン・ムスリム連盟クアイディアザム派(PML-Q)5(-37)
その他・無所属 38
未確定 7

#この後、無所属議員の追加公認などを経て、女性留保議席60と宗教的少数派議席10が各党に追加配分される。

パキスタン人民党 公式サイト(英語、ウルドゥー語)
http://www.ppp.org.pk/

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2013-05-09

【インド】カルナータカ州議選で国民会議派が大勝し州政権奪還

5日、南インド西部のカルナータカ州(ITの都、とされるバンガロールを抱える大州)で州議会議員選挙(定数224、小選挙区制)の投票が行われ、8日に開票がされた(インドの選挙ではこのように投票日と開票日の間隔が空くことが多い)。その結果、シェッタル州首相率いるヒンズー右派の与党・インド人民党(BJP)が惨敗、連邦与党で民主社会主義を掲げる国民会議派(INC、ただし社会主義インターには加盟していない)が一挙に過半数の議席を獲得して州政権の奪還を確実にした。また前回、後退した同州を地盤とするジャナタ・ダル世俗派(JD-S、「人民の党」の意味。社会主義インターに加盟してきた)も議席を回復させ、BJPに並ぶ結果となった。

今回の選挙結果を受けて、州知事(名誉職)は国民会議派から州首相を任命することになるが、シッダラマイア国民会議派州代表はジャナタ・ダル世俗派から最近になって移籍してきた人物であるため党内基盤が弱く、別の人物が州首相となる可能性もある。

またインド人民党は党内抗争の結果、除名されたイェデュラッパ元州首相がミニ政党のカルナータカ人民党(KJP)に入党して全選挙区に候補者を擁立、事実上の分裂選挙となったことも大きく響き、特に州南部で多くの議席を失った。いっぽうジャナタ・ダル世俗派は大きく得票を伸ばしたわけではないが、人民党陣営の分裂にも助けられる形で地盤を固め、議席増に結びつけた。ただキャスティング・ヴォートを握ることによって狙ったクマラスワミ元州首相の復帰には及ばなかった。なおジャナタ・ダル世俗派の最高実力者はクマラスワミ元州首相の父であるゴウダ元連邦首相(現在も連邦下院議員)である。またジャナタ・ダル自体、1989年に第2党ながら連邦政権を獲得して以降、1999年に最終的に「統一派」と「世俗派」に分裂するまで、ほとんど州ごとの政党として分裂を繰り返してきた経緯がある。

連邦レベルでは汚職問題などから国民会議派が主導するマンモハン・シン連立政権への批判が強まっているとされるが、今回の結果はその批判票が必ずしもインド人民党に流れるわけでもないことを示したともいえ、今後の連邦レベルの政局にも大きな影響を与えるとみられる。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

国民会議派 121(+42)
インド人民党 40(-72)
ジャナタ・ダル世俗派 40(+12)
カルナータカ人民党 6(事実上の新党)
BSR会議派 4(新党)
社会党 1(+1)
諸派・無所属 11
選挙延期 1(候補者の死亡による)

国民会議派カルナータカ州委員会 公式サイト(英語、カンナダ語ほか多言語)
http://www.kpcc.in/kpccmis/
ジャナタ・ダル世俗派 公式サイト(英語が中心)
http://jds.ind.in/

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(追記)
13日、国民会議派が州議会議員の秘密投票でシッダラマイア州代表を改めて州首相候補に選出したことに従い、同氏が州知事から正式に州首相に任命された。国民会議派が州首相候補を投票で選出することは珍しい。

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2013-05-07

【マレーシア】総選挙で野党連合が過半数得票も獲得議席で及ばず

5日、マレーシアで下院(定数222、小選挙区制)の総選挙が行われた。マレーシア独立後初の政権交代がなるかが注目されたが、翌6日まで行われた開票結果では野党連合「人民協約」(PR、「人民同盟」「人民連盟」とも訳される)が総得票の過半数を得たものの、接戦となった小選挙区の多くで保守系与党連合「国民戦線」(BN)に敗れ、BNの中核である統一マレー国民機構(UMNO)のナジブ首相の続投を許すこととなった。今回の選挙結果を受けて翌6日、ナジブ首相は国王から首相として再任された(総選挙の結果により、議会の議決を待たず首相が任命される政治習慣は英国の影響を受けた議会政治システムを採用する国に多い)。

PRはマハティール元首相の下で一時その後継者と目されたものの、同元首相と対立した政争により政権から追放された(一時は「同性愛罪」などで起訴されたが、無罪判決を得た)アンワル元副首相が率いる中道リベラルの人民公正党(人民正義党とも。PKR)を軸に、社会主義インター加盟政党で中道左派系華人を主な票田とする民主行動党(DAP)、それにマレー系住民のイスラム右派で構成される全マレーシア・イスラム党(PAS)の3党で構成される。華人中心(ほかにマレー系、インド系も加わっている)の世俗派民主社会主義政党のDAPとイスラム原理主義色も漂うPASは水と油のような関係だが、PKRとアンワル元副首相のカリスマ性がその架け橋となっている。

いっぽうBNはマレー系住民の多数派・中道保守層を軸とするUMNOを中心に、マレーシア華人協会(MCA)、マレー・インド人会議(MIC)、与党リベラル派の人民運動党(グラカン)、サバ・サラワク両州(双方ともボルネオ島に位置し、マレーシア本土とは隔絶がある)の諸地域政党などで構成されている。再任されたナジブ首相はラザク第2代首相の長男としても知られ、これまで「調整型のリーダー」とされてきたが、2月にサバ州でフィリピン系イスラム武装勢力が上陸してきた際に軍や治安部隊を投入して掃討作戦を断行、指導者としてのイメージを変えて強い支持を得た。BNは今回総選挙では大胆な若手候補者の登用(このために公認漏れ現職の除名も辞さなかった)や貧困層などへの予算のバラマキなどによってUMNO自体に加え、特に発展途上地域であるサバ・サラワク両州を基盤とする地域諸政党の善戦が目立ち、BN全体の後退を食い止めてその勝利に貢献した。

BN政権はこれまで長年にわたりUMNOを中心にマレー系優遇政策(ブミプトラ政策)を採用してきたが、経済社会的に中間層の多くを占める華人系有権者の多くが同政策や政府の汚職体質への批判からPR、なかでもDAPへの支持に回り、DAPは野党第1党となった。いっぽう保守派の華人政党(その設立には中国国民党が強く関わったとされる)ながらUMNOと協力してBNの一員となり、ブミプトラ政策を支持してきたMCAは前回に引き続き大きく議席を失い、華人勢力の主導権を完全にDAPに奪われることとなった。これをナジブ首相は「華人の波」と評している。大都市圏よりも農村部や地方州に議席が重く配分される現行の小選挙区制に助けられてBNは過半数の議席を獲得したが、それでも野党の大躍進を許した前回総選挙よりさらに後退し、憲法改正ラインの3分の2を引き続き下回ったうえ、総得票数ではPRに後れをとる薄氷の結果となり、今後ナジブ首相への責任論が噴出する可能性もある。また公正選挙をめざす非政府組織(NGO)連合体の「ブルシ(清廉)」は選挙結果やメディア利用など選挙運動のあり方に疑義を表明したほか、アンワル元副首相も一部選挙区で不正があった疑いを指摘、両者とも選挙管理委員会批判を展開しているが、同時に野党支持者には冷静を保ち、安易な抗議活動を控えるようにも呼びかけた。選挙結果による民族対立の激化が国内保安法(ISA)の適用による弾圧を招く(この場合は1969年の「5月13日事件」の再現となりかねない)懸念からの発言とみられる。

なお同時にサラワク州を除く12州でも州議会議員選挙(総議席数505、小選挙区制)が実施され、クランタン州(PASとイスラム主義の地盤)、ペナン州(DAPと華人の地盤)、スランゴール州(連邦直轄地である首都クアラルンプールを囲む郊外州)の3州がPR州政権となった。しかし前回総選挙時に一挙に5州を野党州とした結果と比べ、ペラ州(DAPと華人の地盤だったが、前回選挙後に州与党の内紛に乗じBNに州政権を奪われていた)とクダ州(PKRなどが比較的強い)の2州を失い、トレンガヌ州(クランタン州と並ぶPASとイスラム主義の地盤)でも政権復帰を逃す結果となった。残り6州はパハン州、サバ州でPRが大幅に議席を伸ばしたものの、従来通りBN州政権の継続となった。

与野党の激突を反映して有権者の関心も高まり、投票率は約8割に至ったとも報じられている。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

●国民戦線(BN)133(-7)#得票率は47%弱
・統一マレー国民機構(UMNO) 88(+9)
・マレーシア華人協会(MCA) 7(-8)
・マレーシア・インド人会議(MIC)4(+1)
・マレーシア人民運動党(グラカン) 1(-1)
・サラワク州地域諸党4党 25(-5)
・サバ州地域諸党3党 8(-3)
●人民協約(PR)89(+7)#得票率は50%強
・民主行動党(DAP) 38 (+10)
・人民公正党(PKR) 30(-1)
・全マレーシア・イスラム党 21(-2)

民主行動党 公式サイト(英語・マレー語・中国語)
http://dapmalaysia.org/

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2013-05-04

【英国】イングランド地方選で労働党と反EU右派が躍進

2日、英国のイングランド地域を中心にカウンティ(州)レベルを中心とする地方議会選挙(小選挙区制または大選挙区完全連記式)が行われ、ミリバンド党首率いる国政野党第1党の労働党(社会主義インター加盟政党)と反欧州連合(EU)右派の英国独立党が躍進する結果となった。

今回、選挙が行われた地方議会では、キャメロン首相率いる保守党は4年前の前回選挙に比べて合計で1136議席を獲得したが、前回比335議席減にとどまった。いっぽう労働党は291議席増の538議席となり、4年前のブラウン政権下での大敗分を取り戻し、倍増以上の躍進を果たした。保守党が獲得した議席は農村部のカウンティが多いため、実際の得票数においては議席差以上に接近する結果となった。

また与党第2党の自由民主党は124議席減の352議席となり、緊縮財政策を進めた保守・自民の両与党に厳しい審判が下る結果となった。これに対して反EUを掲げる右派ポピュリストの英国独立党は保守票の受け皿となり147議席を獲得、前回比で実に139議席、18倍以上もの議席増となった。これまでミニ政党とみなされてきた英国独立党は事実上、小選挙区を次々と制した今回の選挙結果に勢いづいており、現在は小選挙区制の英国下院に1議席も保持していないにもかかわらず、来年の欧州議会選挙の英国選挙区(比例代表制)では第1党に躍り出ることが有力視されている(前回も第2党で、ファリッジ党首を欧州議会に送り込んでいる)。また今回の結果を受けて保守党が独立党に近づき右傾化およびEU離れを強めた場合、親EUかつ中道の自由民主党との距離感も広がることとなり、キャメロン政権の不安定化につながりかねない。

英国労働党 公式サイト(英語)
http://www.labour.org.uk/

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2013-05-01

【アイスランド】議会選で社民派が敗退、女性同性愛者首相退陣へ

4月27日、大西洋北方のアイスランドで国会(アルシング)総選挙(定数63、比例代表制)が行われた。その結果、保守系の独立党と中道系の進歩党がそれぞれ第1党、第2党を占め、シグルザルドッティル首相の中道左派連立政権を支えてきた同盟(海外向けには社会民主同盟、社会主義インター加盟政党)は第3党に後退。独立党と進歩党による保守中道連立政権への政権交代が濃厚な情勢となった。

独立党と進歩党は保守中道路線のほか、対EU関係に慎重な欧州懐疑主義路線でも一致している。今回選挙では独立党が前回選挙まで長らく維持してきた第1党の地位を奪還したほか、進歩党が急伸を見せた。

シグルザルドッティル首相は女性首相として同性結婚をした世界初の首脳としても知られており(彼女は男性と結婚していた過去もあり、2人の息子をもうけている)、4年前の総選挙では金融危機のなか同盟の議席を増やし政権を維持しきったが、今回総選挙では連立を組んできた左翼環境運動とともに有権者の厳しい審判を受け、政権を失うことがほぼ確実となった。なおシグルザルドッティル首相自身は今回の選挙に出馬せず引退を表明していたが、中道左派政権の継続には失敗したことになる。またアイスランドでは前回総選挙後の3年前にアルシングとは別に、憲法制定会議の選挙も個人単位の無所属候補が争う移譲式比例代表制(定数25)によって行われた。

今回総選挙の投票率は81%強だった。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

独立党 19(+3)
進歩党 19(+10)
同盟 9(-11)
左翼環境運動 7(-7)
明るい未来 6(新党、環境自由主義)
海賊党 3(新党)

同盟 公式サイト(アイスランド語)
http://www.samfylkingin.is/

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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