2012-05-17

【フランス】オランド大統領就任、新首相にエロー氏

フランスで15日、社会党(PS、社会主義インター加盟政党)から17年ぶりの大統領となったオランド前社会党第一書記が正式に就任した。オランド大統領は就任早々、当日のうちに訪独しユーロ問題などをめぐりメルケル首相と会談し、ギリシャ問題について緊縮策より財政出動を含む「成長戦略」重視で一致した。

また社会党内で知独派・ドイツ通として知られるエロー国民議会(下院)議員団長(元ナント市長)を首相とすることを決め、翌16日にフィヨン前首相から職務を引き継ぎエロー新首相が誕生した。エロー内閣の組閣においては故ミッテラン大統領の下で首相を務めた社会党の重鎮ファビウスが外相となり、経済・財政・通商相にモスコビッチ氏、またオランド大統領側近で成長戦略を重視するサパン氏が労働・雇用・社会問題相に就くなど重要閣僚が次々と公表されている。また全閣僚の約半数が女性となったほか、党派別では選挙協力を結んだ欧州エコロジー緑の党(EELV)から環境相が、左翼急進党からは法相が入閣となったが、ほぼ社会党中心の布陣となった。

今後は来月6月に行われる下院選挙に向けて、オランド政権の安定的な運営に不可欠な社会党はじめ連立与党の過半数を確保すべく、エロー新首相の手腕が問われることとなる。

社会党(フランス) 公式サイト(フランス語)
http://www.parti-socialiste.fr/

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2012-05-14

【ドイツ】最大州議選で社民党が大勝

ドイツ西部に位置しルール工業地帯を抱えるなど同国最多の人口を誇るノルトライン=ヴェストファーレン州(以下NRW州)で州議会の解散に伴う選挙(定数は今回から237に増員、小選挙区比例代表併用制)が行われ、社会民主党(SPD、社会主義インター加盟政党)が大勝してクラフトNRW州首相の続投を決めた。

前回、2010年5月に行われたNRW州議会選挙ではSPDと緑の党(Grüne)の合計で州議会の過半数に達せず、クラフト氏がNRW州首相となったものの少数与党政権として苦しい政局運営を強いられていた。そのため今回、予算関連法案が州議会を通過しなかったことを機に解散総選挙に踏み切っていた。その結果、SPDと緑の党の両連立与党で過半数に達し、安定した州政権運営が行えることとなった。SPDは獲得した99議席をすべて小選挙区で獲得する好調ぶりだった。クラフトNRW州首相の安定した戦いぶりからは、早くも次期連邦議会総選挙においてメルケル現連邦首相への対抗馬とすべき、とする声も上がっており、「SPDのメルケル」とするなど過熱した報道もみられる。

なお他の政党では、メルケル連邦首相を支える連邦最大与党のキリスト教民主同盟(CDU)はレットゲン連邦環境相をNRW州首相候補に立てたものの得票を落とし、小選挙区も29議席にとどまるなど歯が立たず、自由民主党(FDP)は前進、左翼党(Linke)は議席を失った。代わってインターネットの自由を訴える若者による海賊党(Piraten)がNRW州議会で初議席を得た。

詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比、定数56増)

社会民主党(SPD) 99(+32)
キリスト教民主同盟(CDU) 67(±0)
緑の党(Grüne) 29(+6)
自由民主党(FDP) 22(+9)
海賊党(Piraten) 20(+20)
左翼党(Linke) 0(−11)

ドイツ社会民主党 公式サイト(ドイツ語)
http://www.spd.de/
クラフトNRW州首相 個人サイト(ドイツ語)
http://www.hannelore-kraft.de/

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2012-05-12

【アルジェリア】議会選で与党大勝、社民派も議席確保

10日、北アフリカのアルジェリアで国民議会(下院、定数462・比例代表制)の総選挙が行われ、ブーテフリカ大統領を支える与党の民族解放戦線(FLN)、民主国民集会(RND、「民主国民連合」とも)の2党がそれぞれ220、68議席を獲得して大勝した。「アラブの春」を受けてイスラム主義派・平和のための社会運動(ハマス、ムスリム同胞団系)を軸とする穏健イスラム主義派の3党連合「緑のアルジェリア同盟」は議席減となった。また前回下院選をボイコットしたベルベル人を基盤とする社会主義勢力戦線(FFS、社会主義インター加盟政党)は議席を回復させ、トロツキストの労働者党(PT)は議席を減らした。この結果を受けてブーテフリカ大統領(FLN)とウーヤヒア首相(RND)の二頭体制が継続するとみられるが、首相は交代する可能性もある。

ハマスはイスラム主義勢力だがブーテフリカ大統領の与党となっていた過去もあり、野党色が弱いこともあって支持を広げるには至らなかった。逆にフランスからのアルジェリア独立戦争以来の歴史を持ち、独立後は冷戦終結までマルクス主義的な左翼ナショナリズム・アラブ社会主義を掲げる一党支配政党だったFLNに改めて支持が向かうこととなった。いっぽう先住少数民族であるベルベル人のあいだには政府批判や政教分離・世俗主義を支持する空気が非常に強く、FFSも今回、一度はボイコットを決めたものの政府側の説得で選挙参加を決めた経緯を持つ。だがもう一方の有力なベルベル人政党である文化民主集会(RCD、「文化民主連合」とも。社会自由主義政党)はボイコットとなった。イスラム主義派とベルベル人勢力は選挙に不正があったと主張している。ただし今回から政党規制が緩和されてイスラム主義系の小党が乱立し票が分散したうえ、イスラム主義派と政教分離を掲げるベルベル人勢力は水と油であり、冷戦後の一時期イスラム主義勢力が伸ばした際に生じた内戦で十数万人が犠牲となった負の記憶もあり、今後各勢力がまとまって大規模な反政府運動に発展する可能性は低い。

なお投票率は42%と発表された。

現時点での暫定的な選挙結果は次の通り(カッコ内は前回比)

民族解放戦線 220(+84)
民主国民集会 68(+7)
緑のアルジェリア同盟 48(−12)
社会主義勢力戦線 21(前回ボイコット)
労働者党 20(−6)
アルジェリア民族戦線 9(−4)
公正発展党 7(新党、イスラム主義派)
アルジェリア人民運動 6(新党)
新しい夜明け 5(新党)
その他16党・無所属 56
未定 2

社会主義勢力戦線 公式サイト(フランス語・アラビア語。セキュリティが堅い)
http://www.ffs-dz.com/

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2012-05-08

【アルメニア】議会選で革命連盟が議席後退

6日、カフカスのアルメニアで議会選挙(定数131、小選挙区比例代表並立制)が行われた。その結果、サルキシャン大統領の与党でナショナリスト保守のアルメニア共和党が議席を伸ばして過半数の議席を獲得し、勝利した。これに対しリベラル保守の「繁栄するアルメニア」(PAP)、社会主義インター加盟政党の「アルメニア革命連盟」(ARF)、テルペトロシャン初代大統領が率いる反体制野党の連合組織「アルメニア国民戦線」(ANC)、中道政党「遺産」などは選挙前から完全比例代表制の導入を求め、また選挙中にも合同で与党の選挙干渉に対する監視組織を設けるなどしていたが、及ばなかった。特にARFは10議席を失い、後退した。今後はアルメニアの民主主義が不完全視されるなかで来年に予定される大統領選挙を見すえて、アルメニアの長いディアスポラの歴史(ARFは同国内だけでなく、旧亡命先のレバノンでも一定の地歩を築いている)を踏まえたうえでの透明な民主国家への改革が求められる。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

アルメニア共和党 69(+5)
繁栄するアルメニア 36(+11)
アルメニア国民会議 7(新党)
アルメニア革命連盟 6(−10)
法の支配 6(−3、キリスト教民主主義派)
遺産 5(−2)
無所属 2

アルメニア革命連盟 公式サイト(英語・アルメニア語)
http://www.arfd.info/

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2012-05-08

【セルビア】大統領選・議会選が中道左右両派の激戦に

6日、セルビアで大統領選挙(二回投票制)と議会選挙(定数250、原則5%阻止条項付き比例代表制)が行われた。今回の選挙は双方の選挙を同時に実施するために民主党(DS、社会主義インター加盟政党)のタディッチ大統領が自ら辞任、再出馬して行われた。
大統領選挙では戦犯容疑の色濃い極右・セルビア急進党(SRS)の穏健派が離脱して結成し、刷新をアピールする右派政党・セルビア進歩党(SNS)のニコリッチ党首が首位の座をタディッチ大統領と争ってきた。しかし双方とも過半数の票は得られず、2週間後の20日に行われる決選投票に持ち越されることとなった。第1回投票では、かつては故ミロシェビッチ大統領を擁し戦犯容疑の濃い左翼ナショナリズムで知られたセルビア社会党(SPS)のダチッチ党首(第一副首相兼内相)が3位に入ったが、ダチッチ候補は党のイメージを一新させ、その穏健化、中道左派化に努めている。決選投票ではそのダチッチ第一副首相が同じ与党としてタディッチ大統領を支持するとみられるため、優勢だと受け止められている。ほかに穏健右派・セルビア民主党(DSS)のコストニツァ旧ユーゴ大統領らが立候補しており、激戦となった。
いっぽう議会選ではセルビア進歩党がセルビア急進党の支持票をほとんど奪って第1党となり、民主党は遅れをとった。しかし民主党のほか議席を倍増させたセルビア社会党やリベラル派など現連立与党の合計では過半数に達しており、連立政権の継続はできる模様。

また同時にコソボ在住のセルビア人が独自の選挙を設定し緊張が走ったが、大きな混乱はなかった。

議会選の暫定的な結果は次のとおり(カッコ内は選挙前比)。

セルビア進歩党系連合 73(+43)
民主党系連合 68(−7。セルビア社会民主党、ヴォイヴォディナ社会民主連盟なども参加)
セルビア社会党系連合 44(+24。統一年金者党、統一セルビアも参加)
セルビア民主党 21(+1)
自由民主党系連合 20(+4、セルビア再生運動、社会民主同盟なども参加)
セルビア地域の団結 16(−7。G17プラスが中心)
少数民族組織計 8
セルビア急進党 0(−56)

民主党 公式サイト(セルビア語)
http://www.ds.org.rs/


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2012-05-07

【ドイツ】シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州議選で社民党が伸長

ドイツ最北部にありデンマーク国境に位置するシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州(以下SH州)で6日、州議会議員選挙(定数69、憲法裁判所から憲法違反の裁決が出たため今回から大幅制度変更、基本は5%阻止条項つき小選挙区比例代表併用制)が行われ、社民党(SPD、社会主義インター加盟政党)と緑の党が優位に立つ結果となった。キリスト教民主同盟(CDU)は後退した。
今回州議選ではCDUは筆頭候補(SH州首相候補)にイェーゲル州環境運輸相を、SPDはアルビグ・キール市長を立てた。選挙結果ではSPDと緑の党はCDUと自由民主党(FDP)を上回っているがいずれも過半数に達さず、デンマーク系少数民族を代表する地域政党・南シュレスヴィヒ選挙人同盟(SSW)と今回初議席を獲得した海賊党がキャスチングヴォートを握ることとなった。前回初議席を得た左翼党は海賊党などに不満票を奪われ、議席を失う結果となった。
SH州政権の行方だが、SSWはどちらかというと中道やや左寄りの傾向を有しており、また海賊党がCDUと組むことも考えにくいため、SPDとアルビグ首相候補には有利な展開となっている(SPDと緑の党、SSWの合計でぎりぎり過半数になる)。世論調査でもアルビグSH州首相を望む声がイェーゲル氏に比べて強い。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は選挙前比。違憲として定数が95から削減された)。

キリスト教民主同盟 22(−12)
社会民主党 22(−3)
緑の党 10(−2)
自由民主党 6(−8)
海賊党 6(新党)
南シュレスヴィヒ選挙人同盟 3(−1)
左翼党 0(−6)

ドイツ社会民主党 公式サイト(ドイツ語)
http://www.spd.de/

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2012-05-07

【ネパール】新憲法制定にむけて大連立政権樹立へ

新憲法の制定にむけて制憲議会で各党の調整が続くネパールで3日までに主要政党がすべて参加する大連立を形成することで合意し、バタライ首相(第1党の共産党マオイスト派)以外の閣僚が辞任、新たに第2党のネパール会議派(社会主義インター加盟政党)、第4党に相当する南部インド系住民を代表する政党連合「統一民主マデシ戦線」が内閣に加わり、5日にいったん発足した。ただし、第3党の統一共産党は学生活動家の逮捕などをめぐり大連立政権への参加が遅れており、きょうも調整が続いている。

制憲議会の選挙から4年経過しても新憲法が決まらず、この間に4度の首相交代があるなど憲法制定の先行きが見えなかったネパールだが、このたび最高裁判所が憲法制定の期限を今月27日に設定、またマオイスト軍の武装解除と国軍編入が党内強硬派の抵抗を受けながらも進むなど、事態が進展していた。ただ、それでも国のあり方をめぐって公選の大統領と議会に信任される首相を置くことでは各党各会派が合意しているものの、フランス型の強大な大統領を特徴とする半大統領制を採用するか、議院内閣制に重きを置いたフィンランド型の制度を採用するかでなお詰めるべき点が残されている。また連邦構成体として設置される州の数や境界をめぐっても各党のあいだに意見の不一致がある。また特にインド国籍者とのあいだで問題となる外国人のネパール国籍取得や二重国籍などについても合意が得られていない。

今後は各党の合意によると27日までに新憲法を議会で制定したのち、バタライ首相が退陣。その後第2党の会議派から首相を出したうえで連立政権を継続し、1年以内に正式総選挙を行う…というロードマップとなっている。マオイストやマデシ、旧勢力など、あちこちに強硬派の不満がくすぶるなか、社会経済的な規定など民主社会主義の思想をどこまで採り入れた憲法が成立するかが注目される。

ネパール会議派 公式サイト(ネパール語・英語)
http://www.nepalicongress.org/

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2012-05-07

【ギリシャ】総選挙で反緊縮派躍進、小党乱立の議会に

債務危機に陥ったことから二大政党が加わったパパデモス暫定政権下での解散総選挙となったギリシャで、6日、国会総選挙(定数300、3%阻止条項&第1党ボーナスつき比例代表制)が行われた。結果は2大政党への不信を反映して多数の小政党が3%阻止条項を乗り越え、7党が議席を獲得する小党乱立気味の議会となった。
議席を獲得したのは2大政党の新民主主義党(ND、中道右派)と全ギリシャ社会主義運動(PASOK、社会主義インター加盟政党)のほか、トロツキストや環境左派を含む急進左翼連合(SYRIZA)が反緊縮財政を掲げて躍進しPASOKを抜き去って第2党となり、新民主主義党の右派が離脱し反緊縮財政を掲げる独立ギリシャ人(ANEL)、EU脱退を掲げる共産党(KKE)、極右ネオファシスト視され暴力的な青年支持者の行動が問題となってきた「黄金の夜明け」(XA)、SYRIZAから分岐した民主左翼(DIMAR)が議席を獲得した。宗教右派で暫定政権に与党入りしていた正教民衆集会(LAOS)に加え、環境緑の党、新民主主義党の中道派が分岐した民主同盟(DISY)は政党乱立のあおりを受け、わずかに3%条項に及ばず議席獲得はならなかった。

左右問わず反緊縮財政派が議会の3分の1を占めたこの結果、緊急に緊縮財政を進める暫定政権を支持してきた旧2大政党の議席は、第1党となった新民主主義党に50議席のボーナス議席を足しても過半数に及ばず、誰が首相になるにせよ厳しい議会運営を強いられることとなった。またユーロ危機に与える影響も注目される。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は選挙前比。前回比ではない)。

新民主主義党(ND)108(+36)#ボーナス議席のため、実質得票はマイナス
急進左翼連合(SYRIZA)52(+41)
全ギリシャ社会主義運動(PASOK)41(−88)
独立ギリシャ人(ANEL)33(+22、新党)
ギリシャ共産党(KKE)26(+5)
黄金の夜明け(XA)21(0、新党)
民主左翼(DIMAR)19(+9、新党)

全ギリシャ社会主義運動 公式サイト(ギリシャ語)
http://www.pasok.gr

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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